原告側の訴えを棄却したものの、同性パートナーと家族になる法制度がない現状は「違憲状態」だと判断した。 判決理由では、「両性」や「夫婦」などの文言から、憲法24条1項における「婚姻」は異性カップルのみが対象と認定。 同性カップルは含まれないとしたものの、「同性パートナーと家族になる法制度が存在しないことは、重大な障害で、脅威である」として、憲法24条2項の「違憲状態」にあると判断した。 一方で、婚姻制度に同性カップルを含めるか、類する制度を作るかなどは「立法府で十分議論する必要がある」として、現状では憲法に違反していないと判断した。 結婚の自由を求めて裁判を起こした原告側にとって、今年6月の大阪地裁に続く2度目の敗訴となったものの、現状は「違憲状態」だと認めた点で、大きく前進した。 ⇨ 判決要旨全文はこちら 東京地裁では2019年2月に提訴された「1次訴訟」と、2021年3月提訴の「2次訴訟」が続いており、今回判決が出た「1次訴訟」は、計8人の当事者が原告となっていた。 裁判の大きな争点は、次の2点だ。 原告側は、性的指向や性自認といった自らコントロールできないものを理由に、同性カップルのみ婚姻制度から排除することは、個人の尊厳を著しく毀損する差別だと主張。 すべての人が個人として尊重され、幸福を追求をする上で「婚姻の自由」は必要不可欠で、国は憲法違反の法律を長期間にわたって放置していると訴えていた。 一方、国側は、婚姻制度の目的は「一人の男性と一人の女性が子を産み育てながら共同生活を送る関係に対して、特に法的保護を与えること」にあるため、同性カップルに異なる取り扱いをしても不合理ではないなどと主張。 憲法24条の「婚姻の平等」も、男女の異性カップルのみを対象としており、法律上の性別が同じふたりの結婚は「想定していない」と反論していた。 また、特定の性的指向であることが結婚の要件とされている訳ではなく、男性でも女性でも同性同士で結婚することはできないとして、性的指向や性別による差別はないと主張していた。

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